ごあいさつ

第25回日本がん分子標的治療学会学術集会(完全オンライン開催)

内藤 幹彦 第25回日本がん分子標的治療学会学術集会
会長 内藤 幹彦
東京大学大学院薬学系研究科
タンパク質分解創薬社会連携講座 特任教授

第25回日本がん分子標的治療学会学術集会を、2021年5月26日(水)〜28日(金)にオンライン方式で開催することにいたしました。当初はソラシティカンファレンスセンターとWebを併用したハイブリッド方式での開催を目指して準備を進めてきましたが、COVID-19の状況を鑑みてソラシティ会場での開催を断念いたしました。例年の学術集会とは開催方式が大きく変わりますが、皆さまからの積極的なご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

今回の学術集会では「Knockdown the Targets」をメインテーマとしています。
分子標的治療薬の開発ではこれまで小分子阻害剤や治療用抗体等の開発が主流となってきましたが、これらの創薬手法では分子標的薬の開発が難しい標的タンパク質も多数存在します。これら所謂Undruggableな標的分子に対して、選択的タンパク質分解や核酸医薬などタンパク質の発現量を制御する技術が新しい創薬手法として有望であると期待されています。そこで基調講演には、核酸医薬の応用に欠かせないDDS技術でご高名な片岡一則先生(東京大学)、老化細胞を特異的に死滅させるPROTAC等で注目される成果を挙げている原英二先生(大阪大学)をお招きしてご講演頂くと共に、タンパク質の選択的分解と核酸医薬品のシンポジウムを企画いたしました。

また各種シンポジウム、教育講演、Year in Reviewに加え、一連のレギュラトリーサイエンス教育講演を指定演題として企画しました。医薬品開発においてレギュラトリーサイエンスは重要ですが、医薬品の種類によって考え方が異なります。多岐にわたる医薬品それぞれのレギュラトリーサイエンスに精通した講師の先生方からエッセンスをまとめて講演して頂きます。公募演題に関しましては、すべてワークショップとしてライブでオンライン講演をして頂く予定です。会員の皆様には学術集会に積極的にご参加頂き、新しい知識の吸収と最新の研究成果発表の機会として頂ければ幸いでございます。

最後になりましたが、会員の皆様のご健勝と研究の益々のご発展をお祈り申し上げます。
オンラインではございますが、第25回学術集会でお目にかかれますことを楽しみにしています。